間宮夏生 - 変愛サイケデリック

昨年9月の電撃文庫新刊紹介で一目見た時からこれは絶対いけると思って買った月光が大当たりだったので楽しみにしていた間宮夏生さんの第2作目"変愛サイケデリック"も買ってみました。しかしこの作品の情報が出て以来ずっと”変愛”を”恋愛”だと思い込んでてTwitterにも間違って投稿してしまいマジすいません。

率直な感想としては今回も十分満足できる出来だったと思います。キャラクターも面白いし（ちょっと名前が読みにくいけど）相変わらず会話も面白いので最近のトレンド的にもいいのではないかなと。しかし今回のタイトルは"変愛"と付いてる通りみんなちょっと変なところがあるんだけども実は結構まともな人が多かったというのはやはり狙いなんでしょうか。前作の月光がほとんどまともそうな人に見えて実は腹黒い人ばっかだったのでなにかしら差みたいなのは意識してるのかもしれません。

今回少し問題かなと思った点としては、ストーリー的には中盤で答えがほとんどわかっちゃった点でしょうか。過去回想の・・・恐らくギミック的な部分だと思うのですが、それがもの凄く判りやすくてこれが意図的なのかそうではないのかがいまいちよくわからない。私的にはメインの2人よりその後の佐那と優衣のオチの方が好きだったり。あと主役である理子のセリフがかなり引用的なのが多いのも若干好みが分かれそう。

もう一点どうしても気になったことは"挿絵がいくらなんでも手を抜き過ぎじゃないのか？"と思われる感じの仕上がりなことでしょうか。表紙やカラーページの出来は前作同様凄くいいのになぜ肝心の挿絵がああなってしまったのか？。よくこれで出版社の人はゴーサイン出したよなと正直不思議でしょうがない、何か問題でもあったのでしょうかねぇ・・・。

でまぁ最後の疑問として残ったのは"結局この2作品を同じ舞台にした理由はどこにあるのか？"ということに尽きると思うのですが。途中佐那が『あの月森葉子』と言ったりビクトリアで野々宮くんが出てきたりと一応同じ舞台であるというアピールはしてるわけですが、もうこの流れはここで一区切りするのかそうではないのかが非常に気になるポイントではあります。