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田名部宗司 - 幕末魔法士 -Mage Revolution-

幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)

先月発売された今年の電撃文庫大賞受賞作ですが、幕末魔法士とご主人さん&メイドさまが面白そうだったのでとりあえず試しに買ってみました。ちなみに今年メインの受賞作ですが前者が大賞で後者が銀賞、っでもうひとつは金賞のヴァンダル画廊街の奇跡ですが本屋でパラパラっと見た感じ私の趣味では無かったのでスルーしました。

 

というわけでその幕末魔法士ですがいやはやかなり面白くて期待以上ですね。この読み出したら止まらない感じのドキドキ感は久々かもしれません。正直読む前までは文章や舞台設定がもっとややこしいのかなと想像してましたがそういった点については全く問題なかったですし、大河ドラマなどを代表に今年幕末ネタってのはひとつのキーワードでもあるので耳に馴染みやすいってのも有利ですよね(龍馬伝も最初微妙かと思いましたが結構面白くて最近は普通に見てたりするので)。

 

 

あと挿絵については言うまでもありませんがオススメです。確か昨年の1月頃だったと思いますが、世間がとらドラ!や禁書ブームに湧いてた頃、例に漏れず私もラノベコーナーに足を運んでたりしてましてその時偶然表紙買いしたのがアカイロ/ロマンスでした。中でも和服姿の枯葉さんとかかなり気に入ってましたので今回もその辺はまず間違いが無いだろうとの判断ですね。

 

とーかなんとかもっともらしい理由を言ってみたりしましたがぶっちゃけ表紙の衣装が超可愛いんですがどうなってんですか!。ポニテ・外套・和服・ブーツとか反則過ぎるだろうと、そして極めつけは足がチラッと見える袴とかOKそれだけで買うわって感じですよいやーまいったね。・・・そろそろ何言ってるかわからなくなってきましたがとりあえず椋本さんの絵は良いという話です。それはそうと椋本さんが担当する作品は首切りデスマッチをするのが流行ってるんでしょうか・・・?

 

 

その他いくつかポイントを挙げるとすると・・・。まず会話のセリフが終盤はちょっと長台詞も多いですが物語全般通して面白いのがいいですね。特に伊織と冬馬の会話シーンが小気味よく進んで楽しくて序盤でかなり引き込まれました。その後徐々に変化してくる伊織さんの言動がなかなかに可愛いのもいいっすね。あと終盤で神藤が凄い普通に伊織に冬馬のことを訪ねるシーンが、それこそ同じ仲間内での会話みたいに感じてなんか好きかも。

 

次に気になった点ですが、正直ちょっと伊織さんの活躍が微妙というかずっと殴られっぱなしで終わっちゃった感がなんか消化不良でしょうか。・・・ていうか村で襲われた時も冬馬頼みの展開だし、終盤は神藤さんと冬馬がチート過ぎてあのパワーバランスじゃどうやっても出る幕無いし、結局これはあえて記録者か傍観者的な立ち位置にして戦わせたくないのか、それとも勝手にそうなってしまったのか今一判断に困ります。

 

次に冬馬の封印の話と錬成炉の話を先にしちゃったのもどうなのかなぁと。もうこの2つ読んだ時点で『あー冬馬が超パワー発動して終わりね』っていうテンプレ的流れが先にわかっちゃったのが終盤に向けての盛り上がりを若干欠いたかなと。終盤のサプライズ的な要素が弥平さんだけってのが正直辛い(いやカコイイおっさんキャラはむしろ大好きだけれども)。別に封印の話は無理にする必要も無かった気がするし、黒幕や錬成炉の話ももう少し隠しても良かった気がしますが・・・まぁとりあえず読み切りと前提したり他を優先するとそうするしかないのかなぁとかとか思いました。

 

 

そんな感じで基本的には楽しく読めたので次も期待したい所なんですが・・・ありますよね?、ていうかあってくれないと悲しすぎです。で次はもう少し伊織さんの見せ場・・・というか魔法で冬馬と雑魚キャラ以外をブッとばして欲しかったりします。